僕の生徒を紹介します









金城高校に来て3年目の春。
3年1組の担任になりました。西沢卓信(ニシザワ タクノブ)です。

そう挨拶をしてから、数日。
僕は毎日一番最初に、教室に現れる相田ミカに、捕まった。



ポケットの中の飴
相田ミカ×僕



「ニッシー、昨日彼女と手繋いで歩いてたでしょ」

自信満々に、彼女は笑った。
肩で切り揃えられた髪は綺麗にうち巻きにされ、形を崩さないまま揺れた。
大きな目が印象的で、深く吸い込まれそうなその瞳に、捕まった。

「ま、まさか〜」

事実だけどね。
生徒に見られるほど恥ずかしいことはないと、今この瞬間、実感した。

「黙っててあげるよ」

その代わり…

いたずらに笑って、相田は僕が手にぶら下げていたビニール袋からサンドイッチを抜き出した。

「朝ごはん、今日食べてないんだ」

いや、僕もなんだけど。
呆れたように言う寸前のところ。相田は思い出したように「じゃあ交換!」と叫んだ。

華奢すぎるその体には重そうに見えるブレザーの内ポケットに手を突っ込み、にんまりと笑った。


「大人しくしろ。銃を捨てて手をあげなさい」

映画とかでよく見るあの修羅場のシーンか、これは…思わず笑いかけた僕の目の前に、相田の拳がつき出された。


「交換」

「交換?」


開かれたその手の中には、白地に赤のストライプが入った小さな包み紙があった。

「あたしのぬくもりつき」



ポケットの中の飴は、確かにぬくもりを帯びていた。
飴のおまけは、サンドイッチを頬張る相田ミカの満面の笑みでした。

────…
(あーひとつ返して)
(飴あげたじゃん)
(これじゃ一日持たない)
(え〜仕方ないなあ…はい、飴ちゃん)
(………)


配布先:雲の空耳と独り言+α
管理人:紫ノ薊様







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