僕の生徒を紹介します







「先生ー」

「お、質問か?」

「はい。先生なにフェチ?」


萌えポイント談話

早崎勇馬×森慎吾×鷲タツヤ



それは早崎勇馬の声だった。張り切って振り返った僕に、勇馬はニヤニヤしながら元気にそう質問した。…質問?

「あ、そういや先生の彼女むっちゃかわええらしいなあ」

この関西弁は森慎吾か。

「なに情報だよ、慎吾」

とくると…

「あ、俺は足フェチ」

ですよね…鷲タツヤだ。
早崎勇馬、森慎吾、鷲タツヤ。我が3年1組が誇る、お馬鹿トリオ。うるさい、お騒がせ、勉強できない。三拍子揃った仲良しトリオだ。クラス順位のワースト1位、2位、3位はこのトリオが独占するに違いない。課題テストは見事に、予想的中だったしな。


「タツヤ足フェチ?俺もー!」

「まあ足も大丈夫やけど…やっぱ髪の毛大事やろ〜」

「あー髪の毛ね。でもさ、美脚ってやっぱ惹かれるっしょ。な、タツヤ」

待ちなさい。授業中です。

「うん」

「ほら、こうさ…きゅっと…」

………百歩譲って、授業中ということは許そう。
今は僕に質問したんじゃないのか?前と後ろで話始めたら、うるさくなるだろ。まあ、もう手遅れだけどさ…

「あ、俺あとアレ!ほら、アレやてアレ…うなじ?」

「くあ〜たまらんな」

慎吾がじゅるりと口をならし、あちこちから賛成の声や新しい意見が飛び交う。

「でもやっぱ断然足!」

「俺もー。あ、詳しく言えば内腿だけど」

詳しく聞いてませんよ。
中断してしまった授業は、残り数分。まあキリもいいし、今回はこれで終わりにするかと教科書を閉じた。あと数分、それぞれのフェチを言い合ってもらうか。そんなノリで興奮し始めた勇馬を眺めた。

「内腿?」

「内腿」

「確かに、ないようなスラッとしたのがいいよな」

「…逆。ちょっとむにゅって…」

言いかけたタツヤに、女子から驚愕の声がとんだ。…タツヤはそんなこと人前で、しゃべるような奴じゃないしな。うんうんと聞いていた僕に、思い出したように勇馬が指差した。



「それで?ニッシーは?」

「え、僕?んー…」

「あ、匂いもええな〜」

「なんだろうな」

「二の腕も大事やなあ〜」

「慎吾うるさい。ちょっと黙れ」

「あ、手えもきれいやとときめくわ〜」

言いたいように口を開く慎吾。タツヤはいまだに足についてぶつぶつとしゃべっている。
ざわざわと騒がしい今なら、僕が喋っても聞いていない人もいるだろうに…


「特にないけど…」

うーんと悩みながら、思い付いたのは舌だった。形が良くて、色のきれいな舌、好きだな。モデルさんとかによくいる舌ピアスは絶対嫌。



「強いて言うなら、舌?」


(しーーーん)

え?なにこの空気…



「「「舌ー!?」」」

「え?」

「えっろ!ニッシーえろいわあ」

「まさか担任がどへんたいだったとは…勇馬くん衝撃」

「ちょ、待て待て待て!」

静まり返った教室に、ドン引きした女子生徒と、驚愕した男子生徒の悲鳴が、ワンテンポ遅れて響いた。

「まっさかニッシーが…」

「違う違う」

「他のクラスらにも報告だな」

僕は断じて変態じゃない!
なをて否定するのを遮るように、教室内には授業終了のチャイムが鳴り響いた。同時に、勇馬、慎吾の順で教室のドアから騒がしいトリオが飛び出ていった。

平和な僕の教師生命の雲行きが怪しくなってきた日でした。

────────…
(見損なったな)
(いや、あのエロさ尊敬するわ)
(はー?まじか)
(………内腿…)

配布元:無気力少年。
管理人:市ノ瀬様






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