僕の生徒を紹介します








「おはよう、今日も可愛いね」

サッカー部キャプテン、スポーツ馬鹿の波田野君が好きなのは…

「…ごめんなさい。イケメンは苦手です」


独り占め、したくなる
波田野マサ×西山莉莎子



「ねえ、ニッシー」

「ん?」

波田野はスポーツバッグを肩にかけながら、教卓へと歩み寄ってきた。


「俺ってイケメン?」

波田野は天然記念物並みに天然なモテ男。自分がモテていることに気づいていない。
頭の悪さは運動でカバー。健康的な小麦色の肌に、爽やかな短髪。


「どうした波田野。頭ぶつけたのか」

「いや、真剣に。西山に“イケメンは苦手”って言われた」


波田野の好きな西山莉莎子は、大食い女子。それはもう…ギャル●根と同じくらい食べる。
朝ごはん食べて学校ついておやつ。休み時間ごとにおにぎり。お昼はお弁当と購買のパン3つ。帰りは自転車こぎながら別のパン。
その割りに驚くほどスレンダー。

「波田野はかっこいいぞ」

「西山に嫌われるなら嫌だ。好いてくれるなら、俺般若みたいな顔でもいい」

どういうこと?
笑いをこらえて、精一杯のフォローを口にした。

「ほら、格好いいとなにかと心配するからじゃないのか?波田野はモテるし」


僕のフォローをどうとらえたのかはわからないけど、波田野は“うーん”って唸りながら、時計を見上げて教室を飛び出ていった。

余計なことを、いってしまった。
と、次の日後悔したのは言うまでもない。


「マサーおはー」

「はよー。…西山、おはよう」

「…おはよう」

西山はいつも通り、お菓子を食べながら机についていた。波田野の声に警戒しながら視線をあげ、驚いた。

「……波田野君、ブレザーにゴミついてるよ」

波田野のジャケット。
グレーのパーカーのフードが覗く背中。

「ゴミ?…あ、ああ。ただの宣伝だよ」

爽やかすぎる笑顔。西山は唖然としたまま、朝練に使ったのであろう練習着を窓で干し始めた波田野の背中を見つめていた。

「おいマサー」

「ん?」

「それ、なんの罰ゲーム?」

「罰ゲーム?」


背中に貼られた白い紙。
黒いペンでかかれた文字は、なのかの罰ゲームだと勘違いするのも仕方ないような言葉。


“僕は西山が好きです”



「あ、これ?罰ゲームじゃなくて、ただの宣伝」

「宣伝?」

何人かの男子生徒も、いじったり馬鹿にすることも忘れて、いたって真剣な波田野を眺めていた。



「堂々としてれば、誰も寄ってこないだろうなって」

「いや、だからって…西山がかわいそうだろ」


波田野は西山が好き。つまり、自分を好きな人ごめんなさい。
そして、

「だって、独り占めしたいし」

西山横取りしないでね。


そんな意味に繋がる。

西山は赤面して、うつむいた。その周りにいた西山の友人は、黄色い声をかけるのも忘れてその紙を見つめ、声をかけた男子生徒も同じように、口を半開きに波田野の背中を見ていた。


「西山、これで俺のこと信じてくれる?」

「………」

「暗黙の了解?良かった」


いや、みんな驚いてるだけだよ。
それから、その天然さにあきれで言葉がでないのだろう。


波田野くんの告白。
どうやら西山を独り占めしたいらしい。


─────────…
(そろそろ練習着、2枚持ってこないとなー)
(波田野の天然ぶりってもうホラーの域だな)
(莉莎子、付き合わないの?)


配布元:無気力少年。
管理人:市ノ瀬様







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